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吹きもの(ブロー){人工吹き} |
吹きものについて、昔、弊社で造っていた人工吹きの魔法瓶(二重フラスコ)を例にとって説明します。
吹きものには大きく分けて二つの方法が有ります。
型吹き
硝子を型の中に吹き込んで造ります。
通常ですと、型は鋳物でできた金型を使います。
型吹きのメリット、デメリットは次のようになります。
メリット:何時も決まった形のものが出来る。
金型の形を変えることで、ある程度自由な形の硝子を造れる。
デメリット:金型が要るのでその費用が掛かる。
金型を造るのに時間が掛かる。
場合によっては、金型を開け閉め操作する人がいる。
空吹き
硝子を空中で膨らませて形を造る。
メリット:金型が要らない。
デメリット:造れる形が限られる。
まったく同じものが造れない。
かなりの腕を持った職人でないと造れないような場合が多い。
空吹きの魔法瓶(二重フラスコ式) |
1.竿で硝子生地を巻き取る。
(大量に巻き取るときは、一度巻き取った生地を玉に膨らし、その竿の先の玉で次の生地を巻き取る。)
2.巻き取ったガラス生地にリンを掛け整形する
3.竿を振り遠心力を掛けながら、下に向けて筒状の形に吹いていく。
(硝子を上に向けて吹くと先端が薄くなり、下に向けて吹くと先端が厚くなる。)
4.長く伸びた硝子の先端だけを加熱する。
5.それに、ブローを入れると先端だけが丸く膨れる。
6.フラスコの形になった硝子を竿から切り離し、もう一度1〜4を繰り返す。
7.二度目に造った硝子を、一度目に造った硝子の中に入れて吹く。
フラスコが二つ重なった物ができる。
これを、竿から切り離して除冷する。
8.二重になった外側のフラスコに穴を開け、そこから細い銅線を入れ、内側のフラスコを固定する。
9.この状態で内側のフラスコと外側のフラスコの口を繋ぐ。
10.最初に開けた穴から酸を入れ銅線を溶かす。
11.この穴から、アンモニア性硫酸銀溶液、還元液を入れ、中で銀鏡反応を起こす。
12.この穴に、排気管と成る硝子管を付ける。
13.中の空気を抜き、真空に近づけたところで排気管を閉じる。